愛されることを受け入れましょう
目は大きいけど奥二重だからパッチリとはしてないし、鼻は低くないけどちょっと横に広がってる。真っ黒の髪の毛は真っ直ぐだけど太くって硬いからごわごわしてるし、体型はちょっとポッチャリ。

すっごくブサイクでもないけど、特段可愛くもない。あえて言うなら、惜しい!って感じ。ちなみに中身はごくごく平凡な普通の小学生女子。

それが私、花村 柚珠奈(はなむら ゆずな)の現実。名前だけは芸能人みたいだけど、名前だけだ。あとは全部、普通。

同じクラスでモテる女子は違う。ふわふわ、ひらひら、キラキラって、まるで砂糖菓子みたい。
リボンやレースもよく似合ってるし、ピンク色のほっぺもくるんとしたまつ毛もモデルさんみたいなんだもん。私とは違う。

きっと彼女たちみたいな女の子がお姫様になれるんだ。

私だって自分なりにがんばってオシャレはしてたけど、しょせん素材が違うんだもん。彼女達と比べたら全然のオシャレレベルだ。

性格だって違った。よく言えば気さくな性格だったからか、クラスの男子と自転車で遠くの公園だって遊びに行ったし、虫だって一緒に捕まえた。女の子の友達がいない訳じゃなかったけど、放課後に遊ぶのは断然、男の子のほうが多かった。

でも仲良く遊ぶのと、モテるのは別問題だ。

仲良しの男子から恋愛相談される事はあったけど、私を好きになってくれる子は現れなかった。
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