愛されることを受け入れましょう
「笹又侑二といいます。ヨツモト商事の営業やってるんですが、今度の発注システムを改良するプロジェクトにも参加しているんですよ。先週の顔合わせでは国枝さんにご挨拶できると期待していたのに、出席されていなかったので残念に思っていたんです」
興奮した口調で話す姿は、さっきまでの大人な余裕をもった雰囲気とは全然違う。仕事絡みの話らしいのに、ちょっと子供みたいな表情。
とはいえ、完全にはしゃいでいた訳ではないらしい。
「あぁ、ごめん。すっかり興奮してしまって」
自分と樹くん以外が全員ポカンとした表情なのに気付いて、説明してくれた。
「こちらの国枝樹さんはね、知る人ぞ知る有名人なんだよ。こんな所で会えるなんて想像してもいなかったから、つい」
「有名人、ですか?」
「うん。ってか、あれ?柚珠奈ちゃん、国枝さんと親しいん、だよ、ね?」
頭に手をやりながら照れたように話す笹又さんにたずねたら、逆に質問されてしまった。
樹くんと私は親しいと、思う。思うけど、もしかしてそう思っているのは私だけ?
樹くんを見上げた顔に不安が浮かんでいたんだろう。わたしを見る樹くんは困ったように眉を下げた表情のまま。
興奮した口調で話す姿は、さっきまでの大人な余裕をもった雰囲気とは全然違う。仕事絡みの話らしいのに、ちょっと子供みたいな表情。
とはいえ、完全にはしゃいでいた訳ではないらしい。
「あぁ、ごめん。すっかり興奮してしまって」
自分と樹くん以外が全員ポカンとした表情なのに気付いて、説明してくれた。
「こちらの国枝樹さんはね、知る人ぞ知る有名人なんだよ。こんな所で会えるなんて想像してもいなかったから、つい」
「有名人、ですか?」
「うん。ってか、あれ?柚珠奈ちゃん、国枝さんと親しいん、だよ、ね?」
頭に手をやりながら照れたように話す笹又さんにたずねたら、逆に質問されてしまった。
樹くんと私は親しいと、思う。思うけど、もしかしてそう思っているのは私だけ?
樹くんを見上げた顔に不安が浮かんでいたんだろう。わたしを見る樹くんは困ったように眉を下げた表情のまま。