愛されることを受け入れましょう
14.
「柚珠奈、シートベルトしたか?出すぞ」
さっきまで理一君に見せていた剣呑な空気を一掃した樹くんは、涼しい顔で車を発進させる。さっきの挑発はまぼろしだったのかと思う程、あまりにも完全になかったことにするから、私も話題にするのはためらわれた。
「車、そういえばどうして買ったのか聞いてなかったね」
車窓から流れる景色を眺めながらポツリと呟くと、いつもの穏やかな声で教えてくれた。
「そうだったか?当然すぎるから言わなかったのかもな」
「当然すぎるの?」
樹くんが車を買ったのは一人暮らしを始めた頃だ。
「”初めて”のドライブは当然、柚珠奈とでしょ」
って迎えに来てくれた樹くん。そんな樹くんによく似合う、ロイヤルブルーのコンパクトカーにドキドキしたのを覚えてる。
久しぶりの樹くんとの”初めて”はもちろん、『男の人と二人でドライブ』っていう大人なシュチュエーションに、どんなに頑張っても、私は胸が高鳴るのを抑えられなかったのだ。
さっきまで理一君に見せていた剣呑な空気を一掃した樹くんは、涼しい顔で車を発進させる。さっきの挑発はまぼろしだったのかと思う程、あまりにも完全になかったことにするから、私も話題にするのはためらわれた。
「車、そういえばどうして買ったのか聞いてなかったね」
車窓から流れる景色を眺めながらポツリと呟くと、いつもの穏やかな声で教えてくれた。
「そうだったか?当然すぎるから言わなかったのかもな」
「当然すぎるの?」
樹くんが車を買ったのは一人暮らしを始めた頃だ。
「”初めて”のドライブは当然、柚珠奈とでしょ」
って迎えに来てくれた樹くん。そんな樹くんによく似合う、ロイヤルブルーのコンパクトカーにドキドキしたのを覚えてる。
久しぶりの樹くんとの”初めて”はもちろん、『男の人と二人でドライブ』っていう大人なシュチュエーションに、どんなに頑張っても、私は胸が高鳴るのを抑えられなかったのだ。