愛されることを受け入れましょう
そんな私が王子様に好きになってもらえるはずがない。

王子様の隣はお姫様でなきゃダメなのだ。ふわふわ、ひらひら、きらきらしてなきゃ。



そして私は決断する。

自分がお姫様になれないんだから、王子様を好きになるのは止めよう。町娘5は町人5を好きになればいいんだ。そしたら釣り合う!

とは言え、1番近くにいるのが王子様なんだから、いきなり町人5が素敵に見えるはずも好きになれるはずもない。
だから流行りのアイドルが好きだって事にした。だからお子様な同級生なんて何とも思わないって。

アイドルならみんなの王子様だもん。どれだけ好きになっても、身の程知らずだって笑われたりもしない。怖い女子にヒソヒソ言われたりもしない。

小学生だって女子は怖い。
学年で1番モテる男子にラブレター渡した子は、ブスのくせにって陰でいっぱい悪口言われてた。そんなブスじゃないのに。


樹くんとは違う学校だから友達にバレる可能性はとても低かったけど、女子のヒエラルキーを人生で初めて知った私は必要以上に卑屈だったのかもしれない。
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