愛されることを受け入れましょう
「もしもし、こんばんは。‥‥はい、もう僕のマンションです。それでちょっとお願いなんですが、理一さんに電話して欲しいんです。‥‥‥はい、そうなんです。なので、柚珠奈は車の中で寝てしまってそのまま、と伝えていただきたいんです。‥‥‥ふふ、そうですね。少し遅くなるかもしれませんが、きちんと送り届けますので。はい、よろしくお願いします」

「で、終了」

通話を終えた後、こちらを向いた樹くんはいたずらが成功したみたいな満足気で無邪気な笑顔を見せた。

「もしかして、今のお母さん?」

「そう、柚珠奈のお母さん。俺、おじさんにもおばさんにも好かれてるからね。だてに二十年以上かけて信頼勝ち取ってませんから」

「‥‥理一君より好かれてる自信あるんだ」

「もちろん。小さい頃に柚珠奈に意地悪した甥っ子より、ずっと柚珠奈を見守ってる俺の方が良いに決まってるでしょ。だから今回も俺の味方」

「で、アリバイ工作も手伝ってくれる?」






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