愛されることを受け入れましょう
「そう。柚珠奈は俺の車の中で寝ちゃって、そのまま就寝。で、俺から話を聞いたおばさんが代わりに理一君に電話してくれた。
これなら電話に出られなかった理由も説明つくし、柚珠奈本人から直接電話出来ない理由にもなるだろ?」

うれしそうな顔はそのまま、得意げに説明してくれるけど、嘘をつく罪悪感が先立って私は同じテンションにはなれない。っていうより、樹くんの感情が理解出来ない。

「そうだけど‥‥‥でも心配してくれてるのに、なんか申し訳ないって言うか、さ。もしかして、樹くん理一君の事、嫌い?理一君が嫌いだから、騙せてそんなに嬉しそうなの?」

「なにそれ。さっき初めて会った人なんだから、嫌いも何もないよ。ま、お互いに仲良くはなれなさそうだけどね。でも嬉しいのは、柚珠奈が俺を優先させてくれたからだよ。理一君は関係ない」

さっぱり理解出来ないのが表情に出ていたんだろう。ニコニコと説明してくれる。

「真っ直ぐ帰るって理一君との約束より、俺と一緒に帰って合コンの感想を話すって約束を優先させてくれた。携帯を返した時点でタクシー呼んで帰るって選択肢もあったのに、柚珠奈は今ここにいる、でしょ?」


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