愛されることを受け入れましょう
私が恋愛出来ないのは樹くんの前に、この両親のせいだ。

「‥‥‥食べてくる時は連絡します」

精一杯の抵抗を示して、お出かけの準備を始めた。




午後三時、アルファカフェのいつもの席。大好きなチーズスフレと紅茶に、思わず顔がほころんでしまう。

「ちょっと！柚珠奈ってばケーキに見とれてないで、ちゃんと聞いてよ」

自分だってキッチリいつものガトーショコラを注文してるくせに、指でトントンと机を叩いてひよりちゃんが注意してくる。
納得いかなくて、目の前に座った由紀ちゃんに助けを求める視線を向けたら、ため息をつきながらも宥めてくれた。

「とりあえずケーキ食べちゃった方がいいんじゃない？でないと、柚珠奈は集中しないわよ」

私の味方してくれたようで、実は結構失礼な発言をした由紀ちゃんは、ひよりちゃんを見てからラズベリームースにフォークを入れた。

「確かに。ケーキにも罪はないしね」

仕方ないと頷きながらフォークを手に取ったひよりちゃんを見て、私も安心してチーズスフレを堪能する。
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