愛されることを受け入れましょう

「で、本題ね。昨日、ラルブルって会社の名前出たのは覚えてる?」

コーヒーを一口飲んでから、ひよりちゃんが切り出した。ちょっと早口になってて、話したいって気持ちが溢れてる。

「覚えてるわよ。樹くんの働いてる会社でしょ?」

「違うわ、笹又さんは『樹くんの為につくられた』って言ってたのよ。誰かの為に会社作るなんて普通じゃないし、それにね、ラルブルって新しい会社だけどシェアも拡大してる有望企業なの。だからなんだか気になって、昨夜のうちに、IT企業に就職した友達に聞いたのよ」

「ひよりちゃん、相変わらず行動力あるね」

本気で感心して言ったのに、ひよりちゃんばかりか由紀ちゃんにまで白い眼で見られた。

「柚珠奈、樹くんのことだって言うのに、ちょっとお気楽すぎじゃない?私もラルブルのホームページは覗いたわよ。ひよりまでの行動力はないけど」

「んー、でも必要な事なら樹くんから教えてもらえるかなって」

「そこまで信頼してるなんて‥‥ホント、大事にされて来たのね。それで付き合ってないって謎過ぎるわ」
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