愛されることを受け入れましょう
「ホントに?うーん、でもなぁ‥‥‥」

ひよりちゃんは私の言葉が納得いかないらしい。

「代表の息子か甥じゃないと変なの?」

由紀ちゃんも、ひよりちゃんの態度に首をかしげる。

「変って言うか、ね。噂では、代表の息子か甥で、後継者じゃないか、って言われてるのよ。本人の実力をみんなに示す為に会社作って、実績上げてから親会社の役員にして、その後で後継者に指名するって。
いくら実力があっても、まさか赤の他人のためには、そんな事しないでしょ?」

「でもホントに樹くんには叔父はいないよ。人違いじゃない?」

「そんな訳ないでしょ。昨日、笹又さんがあんな挨拶してたんだし」

いくらひよりちゃんと言い合っても答えは出ない。どっちも正解を知らないんだもん。

お互いに黙り込んだら、由紀ちゃんが口を開いた。

「柚珠奈が樹くんに直接、聞けばいいのよ。昨夜の感じじゃ、樹くんから話してくれる事はなさそうだし。知りたければ、自分から聞くしかないんじゃない?」
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