愛されることを受け入れましょう
「答えてくれる、か、なぁ‥‥‥」

自信がない。確かに昨夜、樹くんは私に自分の仕事を知って欲しくなさそうだった。

「それは分からないけど、でも知りたいでしょ?それに、樹くんが柚珠奈にハッキリ隠し事してるなんて初めてでしょ?」

「うん‥‥‥」

そうなのだ。今までだって樹くんの全部を教えてもらってるとも、知ってるとも思わないけど、私が分かるような嘘もゴマカシも一切なかった。

「それに柚珠奈自身もそろそろハッキリしなきゃいけなそうだし、ね」

困惑した私に由紀ちゃんは言葉を続ける。

「昨夜、理一君言ってたのよ。急ぐって。だから柚珠奈も行動した方がいいわ。今から、樹くんに聞きに行っておいでよ」

「え、今から!?」

「そう、今から。どうせ一晩考えたって答えなんて出ないんだから、無駄に悩む必要ないわよ」

「う、うん。でも今日は家で夕飯食べるやくそくだから」
< 94 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop