声が聞きたくて。
一本300円のりんご飴を二本買い、拝殿裏にあるベンチに座って食べた。
「美味っ!」
柊くんは感動したように目を輝かせ、りんご飴をペロペロと舐め続ける。
私もりんご飴を一口。
……美味しい!
りんご飴の味は最高だった。
今まで食べたことがなかった味。
甘くて、ちゃんとりんごの味がして…。
「高宮さん、美味しい?」
横で声がしたので振り返ると、柊くんがニッコリとした表情で私を見ていた。
うん、という意味を込めて、私は笑顔で首を縦に振った。