声が聞きたくて。
次の日の放課後。
私は、柊くんに指定されたとおりに自転車置き場に来ていた。
空を見上げると、オレンジ色に染まっている。
腕時計を見ると、午後4時。
…大切な話ってなんだろう。
昨日の夜から気になってしょうがない。
「高宮さん」
私を呼ぶ声。
もちろん、この声は――
「お待たせ」
柊くんだった。
学校指定のスクールバッグを肩にかけている。
「結構待った?」
待ったと言っても、5分くらいしか待っていない。
だから、“ううん”と首を横に振る。
「そうか。
―――じゃあ、“大切な話”を始めるね」
柊くんはそう言うと、私の顔を真剣な表情で見つめた。