声が聞きたくて。
◇
4月。
高校2年生になった。
そろそろ大学受験の事も考えなければいけない時期。
『2‐B 高宮麻帆』
――はぁ。
廊下に張り出されたクラス替えの大きな紙を見て、
私は思わず、心の中でため息をついた。
春休みが明けて、また一年、
新しい学年が始まるのか。
友達がいない私は正直
学校という場所が嫌いだ。
学校は、明るい人気者が楽しめる場所。
私みたいな
暗くて地味で勇気のない人は楽しめないんだ―――。