奏でるものは～第２部～

放課後、自転車でコンビニに向かいながら、走るの速いよね～、と言う春菜の言葉に言い返せない。

しかも、頑張ってしまう私は結構勝ち気かもしれない。

コンビニで高野君たちも合流して、優さんたちも来た。

「高野君立花君と歌織もリレーに出るんだよ！」

早速龍くんたちに報告する春菜

イヤそうな顔の高野君。

「優勝します」

と宣言する立花君。

「歌織ちゃんも出るんだ、見に行こうかな～？」

「走るの速いんだね」

と昌さんと龍くん。

「お前もやる気か？」

と優さんに聞かれ

「うーん、やる気はないけど、出るなら勝ちたくなるよね」

「おぉ、今から練習する？」

「立花君一人でしてよ」

「歌織なら大丈夫」と春菜

「春菜は何に出るんだ？」

と龍くんたちが春菜と話始めたのを機に

「じゃ、また明日」

とコンビニを出る時、珍しく真顔の昌さんと目が合う。
目が合うと一瞬でニカっと笑い、手を振ってくれた。

いつも笑っている昌さんの真剣な顔は、何かずっと見られていたような不安感じさせた。