奏でるものは~第2部~
体育祭前日のリレーの練習の日。
放課後、グランドで陸上部等の部活の練習が始まる前にリレーの練習をする。
とりあえず、バトンパス。
張り切っている立花君と陸上部の青田君が仕切っている。
他のクラスも練習しているので、走る順番をチェックしながら、とはいえ、他のクラスのことはよく分からない。
「もう、時間だな?」
青田君が言う。
「ぶっつけ本番だな」
高野君も意外にやる気。
「なんとかなるよ、じゃ、また明日ね」
おつかれー、の声を聞き手を振りながら、そそくさと退散する。
教室で春菜が待っていた。
「帰ろ」
首を少し傾けて、私の疲れ具合を気にするような視線に、かわいいなぁ、と思ってしまう。