奏でるものは~第2部~
続けて、文化祭が一週間後に2日間ある。
秋からはじまる、大学入試のため、この時期に行事をまとめてする。
普通科クラスは文化祭2日目に模擬店などもするが、芸術科は3年生が音楽の発表をして、美術系、書道の人は作品展示である。
2年生は3年生の発表の伴奏をする人もいるが、1年生の私達は手伝いばかり。
楽器を用意したり、衣装や、化粧も手伝う。
1日かけて行われる音楽発表の準備や学外から来られる人の受付や案内。
私は、簡単な着付けができるので、衣装を担当する。
和服は少ないが、同じ稽古場の人もいて、思わず嬉しくなる。
「まるでお披露目よね?」
「思い切りやってくださいね」
舞台では、後輩たちが先輩の演奏する楽器や椅子を並べて、演奏が終わると楽器を交換して椅子もそれぞれの物を出す。
楽器の扱いも勉強というところか。
高野君たちは、作品展示や、ロープはり、順路の看板を立てたら、演奏会場で聞く。
私は、裏方なので楽屋で着付け。
一人、5分くらいだが、人数が多く、丸一日コンサートである。
1年生で交代して受付もするので、1年生は忙しい。
でも、才能ある若手のコンサートは見ていて楽しい。
1日が終わり、今日はさすがに帰るわ、とそれぞれ帰途についた時には、すでに暗くなりかけていた。