奏でるものは~第2部~
それからの日々は、中間テストもあり、毎日家で練習しながら、お稽古を日舞を週2回、筝とピアノを1回ずつで週に4回になり、友達や優さんともゆっくり会う時間ができた。
11月の土曜日。
久しぶりに千奈美と美輝に会い、カフェでゆっくり近況を喋っていた。
「もう、冬になるね」
「クリスマスじゃん?」
「歌織はどうするの??」
うーん、あまり考えてないけど、そういえば、誕生日も貰ってるし、何か考えないとなぁ。
「じゃ、ネクタイとか?」
「一応まだ高校生だし、いらないでしょ?」
「そっか、そうだよね?」
あ、と顔を変えた美輝が、
「誰にも見えないもので歌織の好みで買えるものは?」
「何それ?」
「考えてね。自分で」
誰にも見えないもので、か。
優さんにクリスマスプレゼント。
悩むなぁ。