奏でるものは~第2部~
着物を解き、メイクを落とし、小袖の着物に着替えてふつうのメイクをする。
後半の会が終わるとパーティーがあるので、それに参加するため帰宅はできない。
モニターで舞台を見ていると携帯がなった。
美輝からだった。
“出てこれる?
出てこれるなら連絡して。
ロビーに行くから”
“来てくれたのね!
この演目が終わったら2階ロビーに”
と返信して、ロビーを目指す。
待っていると、ホールの扉が開き、拍手の音が聞こえ、二人が出てきた。
「歌織、発表会おめでとう!」
千奈美も美輝も花束をくれた。
「ありがとう。来てくれたんだね。
嬉しい」
「凄かった、よくわからないけど、感動した」
「千奈美ってばもう乗り出して見入ってたよ
でも、頑張ってるんだね」
と言う千奈美と美輝。
変わらない二人に安心する。
「忙しかったよ~。
またゆっくり喋ろうよ。
今度泊まりに来て!」
と言い、また予定を連絡し合うと約束した。
「私達、もう帰るね。
ほんとに今度遊びに行くから。
唯歌さんにも会いたいの。
ほんとに大変だったわね。
何も力になれなくてごめんね」
美輝の言葉に千奈美も俯く。
「ありがとう。
そう思ってくれることが、一番の力になるよ。
また近々会おうね」
と、約束をして別れた。