奏でるものは~第2部~
――放課後
春菜と自転車置き場に向かっていると
「歌織?今日、いつもと違うとこまでいい?」
「いいよ~」
と、二人乗りをしてから言った。
いつものコンビニのところを曲がって通りすぎ、
「ここ~!」
と春菜が叫ぶ。
自転車を停め
「ここって、マンションじゃん。
なんで?」
と聞くが何も言わず、こっち、と私に手招きしながらオートロックのドアの前に春菜が立つと、扉が開いた。
立っていたのは、龍くん、だった。