奏でるものは~第2部~
「ん、でも私のこと、あんまり知らないでしょ?
ちょっと変な子かもよ?」
抱き締められたまま小さく言うと
「それくらい、わかる」
「え?」
「それでも、なんでもいい。
ワガママでも泣き言でもうれしいことも、どんな歌織でも、聞きたいし知りたいから言ってほしい」
「私、ワガママだし、変なこだわり屋さんだし、困るかもよ?」
「約束する。絶対離さない。
だから、ゆっくりでいいからお前のこと、教えてほしい」