種無しスイカ
そこから、スーツを着たいかつい男がたくさん入ってきて、
ここにいる男を次々と簡単に倒して行く。
その中には彰さんと正樹さんもいた。
正樹さんがこっちを向いたとき、一瞬だけ悲しい顔をした。
きっと、今の私が無様だからだろう。
裸で倒れ、白い液体と男に蹴られた傷と痣、口と鼻から血が出ていた。
髪もグチャグチャに乱れ、頬には机の角にぶつけた時にできた怪我もある。
でも、そんな姿を"あの人"はなんのリアクションもせず、タオルでくるみ、私をかついだ。
なんでおんぶやお姫様抱っこじゃないんだろうと思ったけど、
もう、どうでもよかった。
私は身長が高くてそこまで痩せていないのに、櫻木さんは軽々しく私を降ろした。
私の記憶は、そこで途切れた。