エリート御曹司が過保護すぎるんです。
「これは、サイクリングショップに持っていかないとだめだな……。僕、今から外回りなんで、これ、預かっててもらえますか?」
自転車のチェックをひととおり終えた二階堂さんに、預かっていたカバンと時計を手渡すと、代わりに返ってきたのは、銀色に光る小さな鍵だった。
「えっと、これって……」
「大事なものだから、和宮さんが持っていてください」
それじゃ、と笑顔で片手を上げ、二階堂さんはそのまま外回りの営業へ出てしまった。
取り残された私は、渡された鍵を握りしめて、しばし呆然と立ち尽くす。
自転車の鍵を預けられた。
けれどその意味を、どう解釈していいのかわからない。
ただ単に、自分のデスクに戻してほしいということなのだろうか。
それとも私に、壊れた自転車を修理に出してほしいという意味なのだろうか。
(二階堂さんに限って、後者ということはないだろうけど……)
とにかくこれは、二階堂さんが帰ってくるまで待つしかないだろう。
自転車のチェックをひととおり終えた二階堂さんに、預かっていたカバンと時計を手渡すと、代わりに返ってきたのは、銀色に光る小さな鍵だった。
「えっと、これって……」
「大事なものだから、和宮さんが持っていてください」
それじゃ、と笑顔で片手を上げ、二階堂さんはそのまま外回りの営業へ出てしまった。
取り残された私は、渡された鍵を握りしめて、しばし呆然と立ち尽くす。
自転車の鍵を預けられた。
けれどその意味を、どう解釈していいのかわからない。
ただ単に、自分のデスクに戻してほしいということなのだろうか。
それとも私に、壊れた自転車を修理に出してほしいという意味なのだろうか。
(二階堂さんに限って、後者ということはないだろうけど……)
とにかくこれは、二階堂さんが帰ってくるまで待つしかないだろう。