エリート御曹司が過保護すぎるんです。

【4】守ってくれる腕

 さりげなくこんなことをしてしまえるのは、慣れているのか、それとも私を異性として意識していないからなのか。

 どっちにしろ動揺しているのは自分だけのようで、二階堂さんは多少の密着なんてどうってことないというふうに、涼しげな顔をしている。

 落ち着かない心臓をどうにかしようと、なるべく意識を関係ないところへ飛ばそうと試みた。


 バレーボールをしているというだけあり、二階堂さんはとても背が高い。
 そして、ものすごく硬そうな腕をしている。
 ほどよく筋肉がついたその腕は、小麦色ですべすべしていて、見惚れるほどきれいだった。

 肘から手首にかけてが長く、しなやかなラインを描いている。
 青く浮き出た血管。
 手首の骨がぽこんと出て、でもどちらかというと手首は細くて、時計とのバランスが絶妙だ。
 私の顔の横に置かれた手の甲も、筋張っていて男らしく、指が長くて、爪もきれい。
< 22 / 80 >

この作品をシェア

pagetop