エリート御曹司が過保護すぎるんです。

【12】罠に落ちて

 キスの雨は降り続き、いつのまにか私は、部屋の中央にあるベッドに押し倒されていた。
 その瞬間、はっと我に返る。

 夢中になっていて気付かなかったけれど、この体勢はまさか……。

「ちょ、ちょ、ちょ、二階堂さんっ! 待ってくださいっ!」

 あわてて体を起こそうとするけれど、二階堂さんの腕や足ががっしりと絡みついていて、まったく身動きがとれない。

「だめ?」
「だめ……じゃないですけど、もうちょっと執行猶予というか、心の準備というか……」

 たった今想いが通じあったばかりではないか。
 速攻で最後までというのは、いくらなんでも急すぎる。

 すると彼は、私の頭の両側に手をついて上から見おろした。
 花火の光が、キレイな顔を照らす。
 にこっと笑うと、またまた片えくぼ。

「こういうのは、タイミングだから」
「タイミングって、んん……!」

 反論の言葉は、彼の唇で封じ込められた。
 今度は深いキスだ。

 さっきまでの優しいキスとはうって変わって、執拗に口内をむさぼられる。
 ベッドの上で大きな体に閉じ込められ、私は身じろぎひとつできなかった。
 むき出しになった激しい欲望に、私の頭も麻痺してくる。
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