エリート御曹司が過保護すぎるんです。
 ベッドの上で手足を絡ませ、溶け合うように唇を重ねる。

 ひと呼吸おいて二階堂さんは唇を離し、体を起こして着ていたTシャツを脱いだ。

 無駄のない、しなやかな肉体。
 思っていた以上に胸の筋肉が厚く、ウエストがぐっと引き締まっている。

 私は二階堂さんの裸体に、しばし見惚れた。
 男の人の体がこんなにきれいだなんて、はじめて知った。


 上半身をあらわにさせた彼が、もう一度私に覆いかぶさる。
 大きな手のひらが、這うようにキャミソールの上から私の胸を優しく包みこんだ。

「ん……」

 親指で先端のあたりに触れられ、無意識に声が漏れる。
 自分のものとは思えないような、艶っぽい声。
 おどろいて口をふさごうとするけれど、二階堂さんが私の両手を掴んでそれを抑止した。

 必死で体をよじるが、二階堂さんの力強い腕が緩む気配はない。
 首筋をそらしたすきに、チュッと喉もとを吸われる。
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