エリート御曹司が過保護すぎるんです。
「声、我慢しなくていいのに」
「だって、ほかの人に聞かれたら……」

 全員が外でバーベキューをしているとは限らない。
 部屋に残っている人だっているはずだ。

 こっそり泊めてもらっているうえに、こんなことをしているなんて知られたら。
 週明けにいったいどんな顔をして会社に行けばいいのか、想像しただけで頭のなかが燃えそうになる。

「大丈夫。この棟には、ほかの社員はいないから」
「え?」
「女子と男子の部屋は離れてるんだ。だからほかの連中には気づかれない。ほら、バンザイして」

 言われるままに両手を上げる。
 するりとキャミソールを脱がされた。

 胸元を隠そうとすると、二階堂さんはふたたび両手を掴み、上半身を大きく開かせた。
 そして首筋から腰のあたりまで、ゆっくりと視線を這わせる。

「あ、よかった。ぴったりだったみたいだね」
「え?」
「この下着。きっと桃ちゃん着替えなんて持ってこないだろうから、紫音に頼んで用意してもらったんだ」

 今身に着けているのは、紫音が「勝負下着だ」と言って私にくれたものだ。
 やたらサイズがぴったりで、不思議に思っていたのだけれど……。
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