エリート御曹司が過保護すぎるんです。
【13】ずっとふたりで(桃子編・最終話)
「桃ちゃんも泊まってたんだってね」
「あ、はい。なりゆきで……」
朝食をとるために合宿所の本館にある食堂におそるおそる顔を出すと、顔見知りの社員があっけらかんとそう言った。
「熱中症で倒れたって藤谷さんに聞いたよ。体育館、暑かったからね」
「あははは……」
おかしい。
部外者は宿泊禁止だと言っていたのに、みんななんの疑いもなく私のことを受け入れている。
しかも食堂には、バレー部どころか社員ですらない人の姿もある。
ひとりふたりの騒ぎではない。
子どもまでいて、人事部の主任に向かって「パパァ」なんて言っている。
「部外者は宿泊禁止? 誰が言ったの。妻帯者も多いし、わざわざ別の宿で部屋を借りる人もいるくらいだよ」
私はあっけにとられながら、うしろに立っている背の高い人物を見上げた。
けれど彼は、しらんぷりを決め込んでいる。
(もうっ! 全部仕組まれていたの!?)
あきれて開いた口がふさがらない。
「あ、はい。なりゆきで……」
朝食をとるために合宿所の本館にある食堂におそるおそる顔を出すと、顔見知りの社員があっけらかんとそう言った。
「熱中症で倒れたって藤谷さんに聞いたよ。体育館、暑かったからね」
「あははは……」
おかしい。
部外者は宿泊禁止だと言っていたのに、みんななんの疑いもなく私のことを受け入れている。
しかも食堂には、バレー部どころか社員ですらない人の姿もある。
ひとりふたりの騒ぎではない。
子どもまでいて、人事部の主任に向かって「パパァ」なんて言っている。
「部外者は宿泊禁止? 誰が言ったの。妻帯者も多いし、わざわざ別の宿で部屋を借りる人もいるくらいだよ」
私はあっけにとられながら、うしろに立っている背の高い人物を見上げた。
けれど彼は、しらんぷりを決め込んでいる。
(もうっ! 全部仕組まれていたの!?)
あきれて開いた口がふさがらない。