奏でるものは~第3部~
「あ、他人事だと思って、興味本意になってきたでしょ?」
と答えると
「人の不幸は……っていうでしょ?」
美輝の言葉に3人で笑う。
「不幸じゃないし」
「如月さんには不幸だもん」
千奈美の言葉に美輝が笑って言う。
「不幸じゃないわよ。
私から見たら自業自得よ。
どんな理由でそうなったか知らないけど、結局、歌織を傷つけて、後戻り出来ないところまで来たのだから。
不幸だと思うなら、これからの行いで幸せをつかむのね。
私はね、歌織を傷つけたことは怒ってる。
でも、二人が大きく成長するかもしれないし、歌織が幸せになるならいいの」
「そうよね。歌織、一緒に幸せになろう」
「千奈美に、プロポーズされたよ」
「アハハ、お幸せに~」
「違うってば、もう。
でも、せっかく凌凛館に入ったんだから、歌織の道をしっかり進んでよね。
お稽古出来ないなんて、何のために外部受験したのよ。
今は如月さんとは縁がなかっただけ」
「そうよね」