空と君との間に
「どうかした?」


「なんか空君…心ここにあらず?」


「え?そんな事ないよ…」


「女の子にとってクリスマスとか、イベント事は大切なんだよ!」


「別に、どうでもいいとか、思ってないよ」


俺も、クリスマスを一緒に過ごしたいし…とは言えないが…


「もう…しょうがないなぁ…わかったよ!本題に入るね。バンドの事、あの話OKよ!私も仲間に入れてもらうわ」


「それ本当か?よっしゃあ!行ける!」



美紗は、悩み抜いたあげく、俺達のバンドのボーカルとして、やって行く事に決めてくれた。


美紗の気持ちを考えると、少し引っ掛かる節もあったが、考えた上で出した結論だ…


これから、一緒に頑張って行けるだろう。


ボーカルは、思い通りに決まった。後は、ベースだな…


「じゃあ…クリスマスの話ね!どうする?もう具体的に、決めちゃおうよ」


「あぁ…それならさ、俺達のバンドに新メンバーとして加わるって事で、挨拶がてら亮も呼んで、賑やかにやろうぜ!」


「いいね!じゃあそうしよう」


あ!大事なことを思い出した…


「そういえば、バンドの名前…考えないと。亮に考えとけ、って言われてたんだ。前の名前も俺が付けたし…」


「そっかぁ!新生バンドって事で、名前変えた方が、いいんだね。今までは確か…」


「『NEMESIS』だよ。罪を犯した者に対して、罰を与える女神の名前…」


「そうそう!神秘的な名前だったよね。それに負けない名前かぁ…難しいなぁ…」


俺達は本屋で、様々な書籍や、事典を見ては、色々案を上げるが、どれもいまいちパッとせず、頭を悩ませていた…


「じゃあ…これは、どうかな?」


美紗が見つけた名前と、その意味は、こうだった。


seraph(セラフ)
様々挙げられる天使の中でも、最高位に属する。
その背中には六対もの羽を持つ。


「いいじゃん!『seraph』か…格好いいよ!意味も何だかいい感じだし、これにしよう」


「じゃあ、決定ね!」


微笑む美紗の耳に、ピアスが揺れていた…


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