空と君との間に
レイ
俺達は、週に一回は駅の構内や街のあらゆる場所で、ミニライヴをしていた。
美紗の歌に俺のアコギと、亮の簡単なドラムセットで、演奏していた。
素通りする人達もいたが、わざわざ俺達のいる時間を見計らって、見に来てくれる、常連のファンもいた。
春休みに入り、週一のペースを二回に増やし、同年代だけでなく、少し上の年層からも支持されるようになって行った。
ちょうどその頃、気になる女の子の客がいた。
その子は、俺達が路上に立つ時間になると、毎回現れる。
演奏が終わると、他の子達とは違って、俺達と会話することもなく、何も言わずに帰っていく…
金髪で、化粧が少し濃く、おそらく外国人。不思議な雰囲気を持っていた。
「なぁ…あの子、また来てるな」
「あぁ、金髪の子だろ?俺達のこと、気に入ってくれてるのは確かだろ」
「あの子、やっぱ外国人だろ。多分、日本語喋れないんだよ」
「だからコミュニケーション取らないで、帰って行くのかな?私、今日話し掛けてみようかな…」
「いいかもね。何だか寂しそうだし…」
美紗は、演奏を終えた後、彼女の方へ駆け寄り、何やら会話をしていた。
そして、ジェスチャーする様子で会話した後、とうとうこっちに、助けを求めてきた。
「やっぱ外国人だったんだよ。空、お前行ってやれよ。俺が行ってもどうにもなんねぇよ」
俺は、美紗に呼ばれるがまま会話に参加したはいいものの、何を言っているか、さっぱり理解できなかった。
そして「good bye〜」と、理解できないまま、彼女は去って行った。
「美紗、そういえば、名前聞いたの?」
「あ、聞くの忘れてた!だって、やっぱり外人さんで、焦ったんだもん」
彼女は、その後も毎回訪れた。
美紗によると、彼女の名前は『レイ』
俺達は段々と仲良くなっていった。
「私、英語習おうかな…せっかく仲良くなれそうなのに、何言ってるか全然わかんないんだもん」
そして、春休みが終わり、俺達は新学期を迎えた。路上ライヴも、ペースを落とし、従来通りに戻した。
四月に差し掛かった頃。
彼女は、顔を出さなくなっていた。
美紗の歌に俺のアコギと、亮の簡単なドラムセットで、演奏していた。
素通りする人達もいたが、わざわざ俺達のいる時間を見計らって、見に来てくれる、常連のファンもいた。
春休みに入り、週一のペースを二回に増やし、同年代だけでなく、少し上の年層からも支持されるようになって行った。
ちょうどその頃、気になる女の子の客がいた。
その子は、俺達が路上に立つ時間になると、毎回現れる。
演奏が終わると、他の子達とは違って、俺達と会話することもなく、何も言わずに帰っていく…
金髪で、化粧が少し濃く、おそらく外国人。不思議な雰囲気を持っていた。
「なぁ…あの子、また来てるな」
「あぁ、金髪の子だろ?俺達のこと、気に入ってくれてるのは確かだろ」
「あの子、やっぱ外国人だろ。多分、日本語喋れないんだよ」
「だからコミュニケーション取らないで、帰って行くのかな?私、今日話し掛けてみようかな…」
「いいかもね。何だか寂しそうだし…」
美紗は、演奏を終えた後、彼女の方へ駆け寄り、何やら会話をしていた。
そして、ジェスチャーする様子で会話した後、とうとうこっちに、助けを求めてきた。
「やっぱ外国人だったんだよ。空、お前行ってやれよ。俺が行ってもどうにもなんねぇよ」
俺は、美紗に呼ばれるがまま会話に参加したはいいものの、何を言っているか、さっぱり理解できなかった。
そして「good bye〜」と、理解できないまま、彼女は去って行った。
「美紗、そういえば、名前聞いたの?」
「あ、聞くの忘れてた!だって、やっぱり外人さんで、焦ったんだもん」
彼女は、その後も毎回訪れた。
美紗によると、彼女の名前は『レイ』
俺達は段々と仲良くなっていった。
「私、英語習おうかな…せっかく仲良くなれそうなのに、何言ってるか全然わかんないんだもん」
そして、春休みが終わり、俺達は新学期を迎えた。路上ライヴも、ペースを落とし、従来通りに戻した。
四月に差し掛かった頃。
彼女は、顔を出さなくなっていた。