空と君との間に
俺と彼女は、別々のクラスだ。


同じクラスの女子とは、もうすでに、殆ど打ち解けていた。


もし、彼女が同じクラスだったら…


今頃は、どこかに遊びに行く約束でもしているかも知れない。


いや!訂正する!


話をするのも間々ならず、その姿、その目を見ることすらできない!


彼女は何回か、俺の教室、Cクラスに、親友である村仲優子に会いに、訪れたことがある。


その時も、隆志と話をしながら、ちらちらと見ることしかできず…


揚句の果てには、彼女がこちらを見ようものなら、直ぐさま顔を逆方向へ向け、教室から出ていく有様…


あぁ、情けない…



本来の俺は…


言いたい事は言う!


したい事はする!


という性格なのに…


恋愛に関しては、それは皆無に等しい。


未だかつて、告白というものも、した事がない。


こんなんで、彼女との関係が、恋愛に発展するのだろうか?


俺はすでに『一生の片思い』に嵌まりつつあるのではないだろうか…


あぁ、恋愛の神様!


どうか俺に、何にもしなくてもいい様な、チャンスを与えては貰えないだろうか?



………………



女々しいぞ!俺!


そして、虚しい…




俺の頭の中は、どんどん彼女で埋め尽くされていった。


俺が、唯一彼女を忘れているのは、ギターを練習している時だけだった。


彼女に参っている俺も、ギターへの集中力は、怠らずにいれた。




そんな風に、恋愛に対しては、無駄な行動ばかり取っていた俺は、いつの間にか、一学期を終えようとしていた。
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