奏でるものは~第4部 最終章~
「歌織さん、こちらこそよろしくお願いしますね」
その言葉に、笑顔で頷いた。
「じゃ、お見合いが結婚の挨拶になったけど、それはそれで良かったよ」
「そうね。
西田さん、これからもよろしくお願いいたします」
如月夫妻が言うと
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
父が返した。
「結婚しても仕事はこのまま続けるってことで、年内に結納して5月の連休に式するのはどう?」
「そうね。海外でも国内でも自由に選びなさい。
入籍だけ先にしてもいいし、また二人で相談して決めたらいいわ。
それでいいわよね?」
どこの家も妻が仕切っているのだろうか?
いや、細かいことに気が付くのが女性なのかもしれない。
あまりに話が進んで、これでいいのかと、不安になるが、後戻りもできない。
これで良かったと、しよう。