奏でるものは~第4部 最終章~
第6章
バタバタとした平日が終わり、土曜日になった。
如月家に来ないか、と誘いを受けたのは水曜日。
断れる訳がない。
家まで迎えに行く、という優人さんをなんとか駅までの迎えにしてもらい、待ち合わせて一緒に行った。
家に着くと、両親と明良さんと明良さんの婚約者のミリさんも揃っていた。
手厚い歓迎を受けて、持ってきた菓子を渡して客間に通された。
そこで見せられたのは、花嫁衣装のカタログ。
ドレスから白無垢まであった。
「もう、俺たちは決めたからどうぞ。
いいよなぁ、披露宴なしでもいいって」
「思ったより大変だったんだろ?
親にとっても」
「兄も言ってました」
やっぱり?と賑やかに話していたが
「もう、いいだろ?
俺の部屋にいくぞ」
優人さんの言葉に驚き、戸惑いながら、失礼します、とついていった。