奏でるものは~第4部 最終章~
「まあ、沖縄?いいじゃない?」
優人さんの予想通り、リビングでまだみんな揃っていた。
「西田さんにもちゃんと相談してみなさい。
住むところか。
明良が今いる、うちの離れを改装したらどうだ?
1月に結婚したら、ここに住むから離れが空くだろ?」
「ちゃんと住むにはリフォームしないとダメだな。
ガレージもあるし歌織ちゃんも仕事行けるから、いいじゃん。
ウェディングプランナーも紹介するよ」
みんながすすめてくれる。
実家からも遠くないし、いいかもしれない。
「じゃあ、俺たちはでかけるから」
え?という全員の視線を気にせず、さっさと出て行った優人さんをみて、苦笑いで挨拶をして追いかけた。
玄関で靴を履いていると、見送りに来てくれた優人さんの両親に
「優人は本当に自分のペースで行動するんだから。
振り回されてない?」
と言われても、笑うしかできなかった。
「またゆっくり来てね」
と送り出された。