奏でるものは~第4部 最終章~
ドアを開けると、両家の両親と明良さん夫婦がいた。
「音楽室はもう見たかな?」
「ありがとうございます。驚きました」
「良かったわ」
優人さんの両親も笑顔だった。
全員が一階の部屋を見たあと
「調律も済んでるから、何か弾いてくれないか?」
明良さんの一言でピアノのそばに行った。
棚にあった楽譜を見て一つを手にした。
鍵盤のタッチを確かめるように両手でいくつか和音を弾いたあと、弾き始めた。
曲が終わると、拍手をくれるが、照れくさくてちょっと笑ってしまった。