奏でるものは~第4部 最終章~
「だれか…付き合ってる人がいるのか?」
目をみて聞いてくる優さんの顔から窓に視線を向けて言った。
「……いない……優さんは?」
「いない。
お前から、何かを聞かれるのは多くない。
ちょっとは俺のこと気になるか?」
ニヤッとして聞かれ、フフと笑いながら答える。
「どうかな?」
二人で飲み物を一口飲む。
「俺、言ったよな?
もう一度振り向かせるって」
目を見開く。
「やっと、再会できたんだ。
ずっと会いたかった」
また、ドキリとする。
そんな言い方は狡い。