奏でるものは~第4部 最終章~
「私は、優さんを信じきれなくて、逃げたんだよ?
あの時、優さんが本当のことを言ってるって分かってたのに、逃げたんだよ?
自分のことだけを考えて、信じようともしなかった。
あの時、私は優さんを傷つけたの。
会いたいと思ってくれてたなんて……」
許して、ではなくて、責めてほしかった。
会いたかったのは、本当は私。
振り向かせるも何も、ずっと思っていたのだから。
私は何も悪くない、と簡単に優さんに応えることはできない。