奏でるものは~第4部 最終章~


「そんな風に思ってたのか?」


優さんの年を経て、力強くなった大きな切れ長の目が、驚いている。


わたしが、信じようとすれば……


涙が一筋、頬を流れ落ちた。


「ちょっと…場所を変えよう。
部屋をとってあるから。
無理強いはしない。
ちゃんと話をしよう」



手を引かれてラウンジを出る。
エレベーターに乗っても部屋に着くまで何も喋らなかった。





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