奏でるものは~第4部 最終章~
大人になった今、あの時の答え合わせをする。
でも、私は、優さんを傷つけたまま。
「あの時はごめんなさい。
ちゃんと向き合ってくれた優さんに私は向き合えなかった」
優さんを見ると穏やかな笑顔で私をみていた。
「だから、今度は向き合ってほしい
俺と……もう一度付き合ってほしい」
思わず目を見開いた。
本気なの?
7年の年月はお互い想い合っていても何かが変わったかもしれないのに。
「ちょっと待って」
「もう、俺のことは忘れてたのか?」
「そういうことじゃなくて、やっぱり傷ついたんでしょ?」
「……そうだと言ったら、どうするんだ?」
「許してもらうまで謝る」
「さっき謝ってただろ?」
「まだ許してもらってない
あの時の気持ちを聞かせて」
「……本気か?」