奏でるものは~第4部 最終章~
「新たな出会い、だな」
ふ、と微笑んだ優さんを見て、今日はもう帰ろう、と思った。
今日は過去の答え合わせをして、新たに出会い直した日、で終わらせよう。
「今日は、ありがとうございました」
じゃあ。またね
と笑って手を振った。
「送ろうか?」
「いい。またね、如月さん」
「ああ、サイタさん。今日はお疲れ様です」
じゃ、と部屋をでて、ドアを閉める。
過去と決別した瞬間だった。
二人の新しい関係を築き始める。