奏でるものは~第4部 最終章~
ホテルに着くと、フロントを通らずエレベーターに向かった。
「チェックインしたままなの?」
「まあな」
いつもの部屋に入ると、抱き締められた。
急にこんなことをされると、ドキッとする。
「歌織……」
「ん?」
少し離れて、触れるだけのキスをして身体を離した。
「もう少ししたら食事行こうか?」
「そうね」
時計を見ると11時半。
何か、あったの?
ふとそう思うのは、優人さんがいつもと少し違うから、なのかもしれない。