幸せポイント
あたしは咄嗟に久志に掴みかかっていた。


後先の事なんて考えてなかった。


「はぁ? なんだよお前、途中からいきなり入ってきて、邪魔だっつーの!」


元々正樹はあたしの事を疎ましく感じていたのかもしれない。


正樹はいとも簡単にあたしの事を突き飛ばし、あたしは久志の隣に倒れ込んだ。


「なになに? 蘭は久志の事を庇うの?」


美鈴は新しい獲物を見つけたように目を輝かせて喜んでいる。


他のメンバーも同じようなものだった。


とまどっていた香織も、美鈴が喜ぶ顔を見て一緒になって喜び始めている。


「な……んで?」


腹部を押さえながら久志がそう聞いて来た。


なんで?


そんなの決まってんじゃん。


自分が天国に行きたいからだよ。


心の中でそう返事をして、小さく笑った。


本当にあたしってどこまでも最低だ。


結局は自分のため。


やっていることは全部偽善だ。
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