幸せポイント
あたしはそう言い、半分草で覆われてしまっているベンチに腰を下ろした。


ふーっと大きく息を吐き出して深呼吸を繰り返す。


「痛かったよね……?」


あたしの隣に座った久志が心配そうな表情でそう聞いて来た。


「そうだね、めちゃくちゃ痛かった」


あたしは自分の体を見おろした。


あらゆる場所から次々と飛んできた拳と足。


その傷はあちこちについていたが、完璧なまでに顔だけは攻撃されていなかった。
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