幸せポイント
そんなのただの勘違い。


大いなる早とちりじゃないか。


それが原因でイジメに発展するなんてことがあるのかと、驚きすぎて言葉もでない。


そんなあたしを見て久志は笑った。


相当面白い顔をしてしまっていたのだろう、あたしの顔を指さして笑う久志。


そこにはイジメっ子としての陰湿な暗さもなく、カラリと明るい笑顔があった。


「なんだ、そんな風に笑えるんじゃん」


笑うだけじゃない、さっきまで怒る事もできていた。


イジメられている久志を見ていると、すべての感情が失われてしまったんじゃないかという不安を覚えずにはいられなかったのだ。


「俺だって、喜怒哀楽くらい持ってる」


ようやく笑いが収まった久志はそう言った。


あたしの顔でそこまで笑うなんて少し納得ができなかったけれど、感情を爆発される久志を見る事ができたのはラッキーかもしれない。


結構レアな体験だと思う。
< 119 / 236 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop