幸せポイント
☆☆☆
いつもより1時間も早い通学路には誰の姿もなかった。
いつものサラリーマンも、荷物を持ったお婆ちゃんも、学生もいない。
4人もいるというのに会話もないまま、あたしたちは1軒の廃墟の前まで来ていた。
庭はなく、道路に面した玄関にはスプレーで落書きをされている。
長年誰にも使われていないのだろう。
壁のあちこちにヒビが入っているが、修復されている形跡もなかった。
「こっち」
美鈴と香織は家の横へと回り込んだ。
同じように後を追いかけていくと、1カ所窓ガラスがはまっていない箇所があるのがわかった。
「ここ、学校をサボる時に丁度いいの」
美鈴にそう言われて部屋の中を覗き込んでみると、フローリングの部屋にはオヤツのゴミが散乱していた。
昨日の屋上と似たような状態だ。
あっちが男子たちのサボリ場だとすれば、こっちは女子たちのサボリ場みたいだ。
いつもより1時間も早い通学路には誰の姿もなかった。
いつものサラリーマンも、荷物を持ったお婆ちゃんも、学生もいない。
4人もいるというのに会話もないまま、あたしたちは1軒の廃墟の前まで来ていた。
庭はなく、道路に面した玄関にはスプレーで落書きをされている。
長年誰にも使われていないのだろう。
壁のあちこちにヒビが入っているが、修復されている形跡もなかった。
「こっち」
美鈴と香織は家の横へと回り込んだ。
同じように後を追いかけていくと、1カ所窓ガラスがはまっていない箇所があるのがわかった。
「ここ、学校をサボる時に丁度いいの」
美鈴にそう言われて部屋の中を覗き込んでみると、フローリングの部屋にはオヤツのゴミが散乱していた。
昨日の屋上と似たような状態だ。
あっちが男子たちのサボリ場だとすれば、こっちは女子たちのサボリ場みたいだ。