幸せポイント
その証拠に、部屋の中にはエッチな雑誌は見あたらず、代わりにイケメン俳優が表紙になっている雑誌が見えた。


「行こう」


美鈴に促された久志がイヤイヤ廃墟へと足を進める。


自分から敵の陣地に踏み込んでいくキャラではないから、その表情は不安に満ちていた。


「大丈夫だよ」


あたしは久志にだけ聞こえる小さな声でそう言い、すぐにスマホを操作した。


美鈴と香織は久志が窓枠に手をかけるのを注目して見ている。


その隙に早苗にメッセージを送った。


廃墟の場所と、自分が学校へ行かなかったら助けに来てと言う内容だ。


「あんたも、早く」


久志が完全に廃墟に入ってしまったのを確認して、美鈴が言う。


「でもあたしスカートだし」


窓の高さは胸くらいある。


ここによじ登れば嫌でもパンツが見えてしまう。
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