幸せポイント
「久志はやりたくないってさ。残念だけど諦めてくれる?」


「はぁ? お前らに拒否権なんかないっつーの」


否定された事が嫌だったのか、美鈴の表情が一瞬にして険しくなった。


「そんなこと言われても、嫌なものは嫌だし」


あたしは言い返す。


拳が飛んでくるかもしれないという恐怖もあったけれど、ここでひるんだら2人の思うつぼだ。


「あんた、立場わかってんの?」


美鈴の手があたしの胸倉をつかんだ。


だけど今日は香織からの目つぶしがない。


それだけで少しは違った。


怖いことには変わりない。


だけど、睨み返すことができる。


「美鈴と何も変わらない、高校生だけど?」


立場なんてあたし達に関係ない。


同じ教室で同じ授業を受けているのに、上下関係なんて存在しない。
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