幸せポイント
☆☆☆

廃墟に残されたあたしたち3人の間に気まずい空気が流れていた。


一応助かったものの、ちゃんと説明しなきゃ早苗が許してくれない状況だ。


「昨日といい今日といい、一体何があったの?」


「あーうん、ちょっとね」


そう言って頭をかいて誤魔化そうとするけれど、そんなの通用するはずもなかった。


あたしから説明してもいいのだけれど、それは久志のプライドにもかかわることだ。


イジメられていた自分を助けようとして、あたしまで一緒にイジメられるようになりました。


そんな説明、したいとは思わないだろう。


あたしはチラリと久志へ視線を向けた。


久志の顔色は戻ってきている。


「ちゃんと説明してくれないの?」


早苗の口調が険しくなる。


たしかに、助けに来てくれと連絡しておいて説明なしというのも、心苦しい。


「僕が、悪いんだ」


ようやく落ち着いたのか、久志がそう言った。
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