幸せポイント
「久志も、長い間我慢してたんだね?」


「あ、あぁ……」


「人に助けを求められない理由があるの?」


「まぁ……」


久志は曖昧な返事をしてうつむいた。


ちゃんと説明しろ!


と、思ったけれど、声には出さなかった。


久志には久志の考えがあるんだ。


「早苗。無理に聞きださなくても、話せるときが来れば話してくれるよ」


横からそう口を出すと、早苗にキッとにらまれてしまった。


その目には涙がたまっているけれど、本気で怒っていることが見ていてわかった。


「蘭は無謀すぎだよ。あたしに昨日も今日もメールができたからよかったものの、スマホを取られてたらどうするつもりだったの!?」


そう言って詰め寄って来る早苗にあたしは後ずさりをしていた。


「そ、そうだよね。ごめん、考えが甘かった」


素直に謝った方がいいと思ってそう言ったのに、早苗はそう簡単には許してくれなかった。
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