幸せポイント
「あたし、今日の出来事で死んだことをはじめて後悔してるんだ」


視界の端に映っていたテンちゃんの表情が歪むのがわかった。


「あんなに素敵な友達がいたのに、どうして自殺なんてしちゃったんだろう。どうしてなにもかもに適当になって、すべてがどうでもいいなんて考えてたんだろ」


「蘭ちゃん……」


テンちゃんはあたしの頭に置いた手をそっと離した。


「……ごめんね、こんなことを聞かせたって困るだけだよね」


あたしはどうにか涙をひっこめて、テンちゃんを見てほほ笑んだ。


テンちゃんの目にも、うっすらと涙が浮かんでいる。


「なんでテンちゃんが泣きそうなの? さ、明日も学校なんだから早く寝なきゃ」


あたしは明るい声でそう言い、テンちゃんが消えることも待たず、ベッドへと戻ったのだった。
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